身体が元気な家族を介護する際の注意点

認知症の兆候が見られるも身体が元気な高齢者の場合、経済的負担やその他の理由から、しばらく家庭内介護で様子を見る判断を下すケースが少なくありません。

こうした場面で最も注意を要するのが、高齢者の単独行動です。家族の誰かが片時も目を離さずにいることは実質不可能であり、一瞬の隙を突くかのように、1人で外出してしまう事例は数え切れません。こうした展開を想定して、早期発見からの保護につながる準備と対策を講じておくことが大切です。
まずは本人に、住所氏名と家族の連絡先を常備させることが望まれますが、当事者が嫌がる場合も少なくありません。通行人を常時定点観察している近所のお店などに事情を伝え、緊急時の連絡網を整えておくという方法もあります。
また今後要介護度が上がることを考え、早いうちから後々の介護について家族で相談しておくことも重要です。

また実際に家族の介護をはじめてみると、思っていた以上に負担がかかることに気づくでしょう。介護の経験が無い家族がケアをするため小さな対応ひとつひとつに時間を要してしまい、それまでの日常生活に、さまざまな支障や制限が避けられません。
特に日中家族の誰か1人だけが在宅する場合、近所への買物など僅かな時間の外出が難しい状況も推察されます。改善すべき出来事があれば、その都度家族全員で情報を共有して速やかに対策を考え、可能な限りみんなで助け合い、特定の家族にだけ負担が集中しないようバランスを整える対応が望まれます。